訪問看護

医療保険で訪問看護を受ける条件とは?年齢・疾病別の適用基準を徹底解説

医療保険で訪問看護を受ける条件とは?年齢・疾病別の適用基準を徹底解説
管理者

訪問看護を利用する際、「医療保険が使える条件って何?」「うちの家族の場合は医療保険と介護保険どちらになるの?」と迷われていませんか。訪問看護で医療保険が適用されるのは、40歳未満の方、特定疾病以外の40歳以上65歳未満の方、要介護認定を受けていない65歳以上の方、そして厚生労働大臣が定める疾病・状態に該当する方です。

訪問看護の利用を検討する際、どちらの保険が適用されるか分からないと、費用の見通しが立たず不安になりますよね。医療保険と介護保険では利用回数や自己負担額が大きく異なるため、適用条件を正しく理解していないと、思わぬ費用負担や利用制限に直面する可能性があります。

本記事では、医療保険が適用される詳細な条件を年齢別・疾病別に整理し、別表7・8の対象疾病、特別訪問看護指示書、精神科訪問看護の条件まで、実際の判断に必要な情報を分かりやすく解説します。

訪問看護で医療保険が適用される基本条件【年齢別】

40歳未満の方は全員医療保険対象

訪問看護における保険適用の最もシンプルなルールは、40歳未満の方は年齢だけで医療保険の対象となることです。これは介護保険制度が40歳以上を対象としているためで、39歳以下の方は介護保険に加入していないため、必然的に医療保険での訪問看護利用となります。

40歳未満の方が訪問看護を利用するケースとしては、先天性疾患や難病、精神疾患、がん治療中の方、事故による後遺症がある方などが挙げられます。年齢が若くても、医師が訪問看護の必要性を認めれば、医療保険を使って自宅での看護ケアを受けることができます。

この年齢層の方は、病院での治療と並行して訪問看護を利用することが多く、医療的ケアの継続性を保ちながら、できるだけ通常の生活を送ることを目指します。小児の場合は、成長発達の支援や家族への指導も重要な役割となり、単なる医療処置だけでなく、生活全般のサポートが行われます。

40歳以上65歳未満で医療保険になる条件

40歳以上65歳未満の方は、介護保険の第2号被保険者に該当する年齢ですが、特定の条件を満たす場合は医療保険での訪問看護利用となります。この年齢層で医療保険が適用される主な条件は以下の通りです。

医療保険適用となる条件一覧

  • 16特定疾病に該当しない疾病・けがの方
  • 16特定疾病に該当しても要介護認定を受けていない方
  • 医療保険の被保険者でない方(生活保護受給者など)
  • 厚生労働大臣が定める疾病等に該当する方

16特定疾病とは、がん末期、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、脳血管疾患など、加齢に伴って生じる疾病として国が定めた16種類の疾患です。これらに該当しない疾病、例えば交通事故による後遺症、統合失調症などの精神疾患、心臓病、肝臓病などで訪問看護が必要な場合は、医療保険の対象となります。

また、16特定疾病に該当していても、症状が軽度で要介護認定を受けていない場合や、認定申請をしていない場合も医療保険での利用となります。この判断は複雑なため、主治医や訪問看護ステーションに相談することが重要です。

65歳以上で医療保険が適用されるケース

65歳以上の方は介護保険の第1号被保険者となり、原則として介護保険が優先されますが、特定の状況では医療保険が適用されます。高齢者の在宅療養において、どちらの保険が適用されるかを正確に理解することは、適切なサービス利用のために極めて重要です。

65歳以上で医療保険が適用される主なケースは、まず要支援・要介護認定を受けていない方です。健康な高齢者でも、急な病気やけがで一時的に訪問看護が必要になった場合、介護認定を受けていなければ医療保険での利用となります。認定申請中の期間も同様に医療保険が適用されます。

次に重要なのが、要介護認定を受けていても医療保険が優先される場合です。これには「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する場合と、特別訪問看護指示書が交付された場合があります。例えば、末期がんの方や人工呼吸器を使用している方は、要介護5の認定を受けていても医療保険での訪問看護となります。

このような制度設計により、医療依存度の高い高齢者が必要な医療ケアを確実に受けられる仕組みが整えられています。

厚生労働大臣が定める疾病等(別表7・別表8)の詳細解説

別表7(厚生労働大臣が定める疾病)の20疾病一覧

別表7は、年齢や要介護認定の有無に関わらず医療保険が適用される重要な疾病リストです。これらの疾病は医療依存度が高く、継続的な医学的管理が必要なものとして厚生労働大臣が定めています。

別表7に定められた20の疾病・状態

分類疾病名
悪性腫瘍末期の悪性腫瘍
神経・筋疾患多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症
パーキンソン病関連パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病※)
その他の神経疾患多系統萎縮症、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎
代謝性疾患ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー
筋萎縮症脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症
感染症・外傷後天性免疫不全症候群、頸髄損傷
医療機器使用人工呼吸器を使用している状態

※パーキンソン病は、ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上かつ生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度の場合のみ該当

これらの疾病に該当する場合、週4日以上、1日複数回の訪問看護が可能となり、複数の訪問看護ステーションからのサービスも受けられます。難病受給者証を持っていても、別表7に該当しない疾病の場合は通常の医療保険または介護保険の適用となるため、必ず確認が必要です。

別表8(厚生労働大臣が定める状態)の具体的内容

別表8は、特定の医療機器や医療処置を必要とする「状態」を定めたもので、別表7の「疾病」とは異なる観点から医療保険適用を判断する基準です。これらの状態にある方は、高度な医療管理が日常的に必要なため、特別な配慮がなされています。

別表8に該当する主な状態は以下の通りです:

1. 在宅医療機器を使用している状態

  • 在宅酸素療法(HOT)
  • 在宅人工呼吸療法(HMV、NPPV含む)
  • 在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)
  • 気管カニューレ使用
  • 留置カテーテル使用

2. 特別な医療管理が必要な状態

  • 在宅中心静脈栄養法(HPN)
  • 在宅成分栄養経管栄養法(経鼻・胃瘻・腸瘻)
  • 在宅自己腹膜灌流(CAPD)
  • 在宅血液透析
  • 在宅自己導尿
  • 在宅自己疼痛管理(PCAポンプ等)
  • 在宅肺高血圧症患者指導管理

3. 身体状況による該当

  • 人工肛門・人工膀胱の造設
  • 真皮を超える褥瘡(DESIGN-R分類D3以上)
  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料算定者

別表8に該当する場合、週4日以上の訪問看護が可能になります。ただし、要介護認定を受けている方は、別表7該当または特別訪問看護指示書がない限り介護保険が優先されるため、注意が必要です。

別表7と別表8の違いと注意点

別表7と別表8は、どちらも訪問看護の利用条件を定めたものですが、保険適用への影響が大きく異なるため、その違いを正確に理解することが重要です。利用者や家族、医療従事者がよく混同しやすいポイントを整理します。

最も重要な違いは介護保険との関係性です。別表7に該当する疾病の場合、要介護認定を受けていても医療保険が優先されます。一方、別表8に該当する状態であっても、要介護認定を受けている場合は原則として介護保険での利用となります。つまり、別表7は「保険の種類」を決定し、別表8は「利用回数」を決定するという役割の違いがあります。

具体例で説明すると、要介護3の認定を受けている70歳の方が在宅酸素療法を行っている場合、別表8には該当しますが、保険は介護保険が適用されます。ただし、この方が末期がん(別表7該当)と診断された場合は、医療保険に切り替わり、かつ週4日以上の訪問が可能になります。

また、別表の該当判断は医師が行うことも重要なポイントです。利用者が自己判断することはできず、主治医が診断書や訪問看護指示書に明記する必要があります。制度を正しく活用するためには、主治医との密な連携が不可欠です。

特別訪問看護指示書と精神科訪問看護の適用条件

特別訪問看護指示書の交付条件と有効期間

特別訪問看護指示書は、病状の急性増悪や終末期など、一時的に頻回な訪問看護が必要な場合に主治医が交付する重要な文書です。この指示書により、介護保険利用者でも一時的に医療保険での訪問看護に切り替わり、必要な医療ケアを集中的に受けることができます。

特別訪問看護指示書の交付条件

  1. 急性増悪の場合 – 肺炎、心不全の悪化、褥瘡の感染など
  2. 終末期の場合 – 末期がん以外の疾患での終末期医療
  3. 退院直後の場合 – 退院後2週間以内で集中的な医療管理が必要
  4. その他、医師が特に必要と認める場合

有効期間は原則14日間で、月1回の交付が基本です。ただし、以下の状態の方は月2回まで交付可能です:

  • 気管カニューレを使用している
  • 真皮を超える褥瘡(DESIGN-R分類D3以上)がある

特別訪問看護指示書の期間中は、週4日以上、1日複数回の訪問が可能となり、必要に応じて2か所の訪問看護ステーションから同日訪問も認められます。期間終了後は、自動的に元の保険(多くの場合は介護保険)に戻るため、継続的な医療管理が必要な場合は、別表7該当の検討や再交付の相談が必要です。

精神科訪問看護が医療保険になる対象者

精神科訪問看護は、精神疾患を持つ方の地域生活を支援する重要なサービスですが、認知症を除く精神疾患の場合は原則として医療保険が適用されます。これは精神疾患の特性上、医療的な管理と治療的関わりが中心となるためです。

精神科訪問看護で医療保険が適用される主な対象者

  • 統合失調症
  • 気分障害(うつ病、双極性障害など)
  • 不安障害、パニック障害
  • 強迫性障害
  • PTSD(心的外傷後ストレス障害)
  • 摂食障害
  • 人格障害
  • 発達障害(自閉症スペクトラム障害、ADHD等)※精神症状を伴う場合
  • アルコール・薬物依存症

精神科訪問看護を利用するには、精神科を標榜する医師からの「精神科訪問看護指示書」が必要です。利用回数は原則週3日までですが、退院後3か月以内の方は週5日まで利用可能です。また、服薬管理が困難な方や医療機関への受診が困難な方に対しては、30分未満の短時間訪問も認められているのが特徴です。

なお、認知症の方は介護保険の対象となりますが、認知症に伴う周辺症状(BPSD)が著しく、精神科医が治療的介入が必要と判断した場合は、医療保険での精神科訪問看護が適用される場合があります。

訪問看護ステーション以外からの訪問看護条件

訪問看護は訪問看護ステーションだけでなく、病院・診療所からも提供可能です。これらの医療機関からの訪問看護にも医療保険が適用されますが、訪問看護ステーションとは異なる条件や特徴があります。

病院・診療所からの訪問看護の特徴

  • みなし指定により介護保険での訪問看護も提供可能
  • 医療保険の場合、在宅患者訪問看護・指導料として算定
  • 同一医療機関の外来受診日は原則として訪問看護不可
  • 退院後の継続的なケアとして利用されることが多い

病院・診療所からの訪問看護で医療保険が適用される条件は、基本的に訪問看護ステーションと同様ですが、週3回までの制限がより厳格に運用される傾向があります。ただし、以下の場合は週4回以上の訪問が可能です:

  • 別表7・8に該当する方
  • 特別訪問看護指示書が交付された方
  • 退院後1か月以内の方(病院からの訪問看護の場合)

また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護看護小規模多機能型居宅介護といった地域密着型サービスでも、医療保険での訪問看護が提供される場合があります。これらのサービスでは、要介護者であっても別表7該当や特別訪問看護指示書により、一時的に医療保険での訪問看護を受けることができます。

医療保険と介護保険の使い分けフローチャート

保険適用を判断する5つのチェックポイント

訪問看護でどちらの保険が適用されるかを判断する際、以下の5つのポイントを順番にチェックすることで、正確な判断が可能になります。この順序は重要度の高い条件から並べているため、上から順に確認してください。

【チェックポイント1】年齢の確認

  • 40歳未満 → すべて医療保険
  • 40歳以上 → 次のチェックへ

【チェックポイント2】要介護・要支援認定の有無

  • 認定なし → 医療保険
  • 認定あり → 次のチェックへ

【チェックポイント3】厚生労働大臣が定める疾病(別表7)への該当

  • 該当する → 医療保険(年齢・要介護認定に関わらず)
  • 該当しない → 次のチェックへ

【チェックポイント4】特別訪問看護指示書の有無

  • 交付あり → 指示書期間中は医療保険
  • 交付なし → 次のチェックへ

【チェックポイント5】精神科訪問看護指示書(認知症以外)の有無

  • 交付あり → 医療保険
  • 交付なし → 介護保険

これらのチェックポイントは、医療の必要性が高い順に優先順位が設定されています。たとえ要介護5の認定を受けていても、別表7に該当する疾病があれば医療保険が優先されるという仕組みです。判断に迷った場合は、主治医や訪問看護ステーションに相談することをお勧めします。

実際の判断フローチャートと使い方

保険適用を視覚的に判断できるフローチャートを使うことで、複雑な条件も整理しやすくなります。以下、実際のケースに当てはめて使える判断フローを示します。

訪問看護保険適用判断フロー

スタート
    ↓
【Q1】年齢は40歳未満?
    YES → 医療保険
    NO ↓
【Q2】65歳以上?
    NO(40-64歳)↓                YES ↓
【Q2-1】16特定疾病?            【Q2-2】要介護認定あり?
    NO → 医療保険                  NO → 医療保険
    YES ↓                          YES ↓
【Q2-1-1】要介護認定あり?      【共通質問へ】
    NO → 医療保険
    YES → 【共通質問へ】

【共通質問】
【Q3】別表7の疾病に該当?
    YES → 医療保険
    NO ↓
【Q4】特別訪問看護指示書あり?
    YES → 医療保険(14日間)
    NO ↓
【Q5】精神科訪問看護(認知症以外)?
    YES → 医療保険
    NO → 介護保険

使い方の具体例: 72歳、要介護3、在宅酸素療法中の方の場合

  1. Q1:NO(40歳以上)→ Q2へ
  2. Q2:YES(65歳以上)→ Q2-2へ
  3. Q2-2:YES(要介護認定あり)→ 共通質問へ
  4. Q3:NO(在宅酸素は別表8)→ Q4へ
  5. Q4:NO → Q5へ
  6. Q5:NO → 介護保険適用

このフローチャートを活用することで、利用者や家族も保険適用の判断に参加でき、納得感のあるサービス利用につながります。

保険が切り替わるタイミングと手続き

訪問看護の利用中に保険が切り替わることは珍しくありません。適切なタイミングで切り替えを行うことで、必要なケアを途切れることなく受けられます。ここでは、よくある切り替えパターンと必要な手続きを解説します。

介護保険から医療保険への切り替えタイミング

  1. 病状の急性増悪時 – 特別訪問看護指示書の交付により14日間医療保険へ
  2. 別表7疾病の診断時 – 末期がんなどの診断確定により恒久的に医療保険へ
  3. 精神症状の出現時 – 精神科医の判断により精神科訪問看護へ

医療保険から介護保険への切り替えタイミング

  1. 要介護認定の取得時 – 40歳以上で認定を受けた時点で介護保険へ
  2. 特別訪問看護指示書の期限切れ – 14日間の期限後、自動的に介護保険へ
  3. 病状の安定時 – 医療的管理の必要性が低下した場合

切り替え時の必要な手続き

  • 主治医への相談と新たな訪問看護指示書の取得
  • 保険者(市区町村)への連絡(介護保険の場合)
  • ケアマネジャーとの調整(介護保険利用時)
  • 訪問看護ステーションとの契約変更
  • 自己負担割合の確認と支払い方法の変更

切り替えの際は、サービスの空白期間が生じないよう、事前に関係機関と調整することが重要です。特に月をまたぐ切り替えの場合は、請求事務の関係で注意が必要となります。

医療保険適用時の利用回数・費用・注意点

週3回までの基本ルールと週4回以上利用できる条件

医療保険での訪問看護には、週3回まで、1日1回、30~90分という基本的な利用制限があります。これは医療保険の適正利用と、真に必要な方への重点的なサービス提供を両立させるための仕組みです。

基本ルールの詳細

  • 訪問回数:週3日を限度(同一の訪問看護ステーションから)
  • 訪問時間:1回30分以上90分以下
  • 訪問者数:原則1人(看護師または准看護師)
  • 算定期間:月曜日から日曜日の1週間単位で計算

しかし、医療的ニーズが高い方には週4回以上の訪問が認められる特例があります:

週4回以上訪問可能な条件

条件訪問可能回数備考
別表7該当疾病制限なし1日複数回も可能
別表8該当状態制限なし1日複数回も可能
特別訪問看護指示書制限なし(14日間)月1回(一部月2回)
精神科訪問看護(退院後3か月)週5日まで精神科医の指示必要

週7日の訪問看護が計画されている場合は、3か所の訪問看護ステーションから訪問可能となり、より手厚いケアが実現できます。これらの特例を活用することで、在宅での看取りや急性期の対応も可能になります。ただし、いずれの場合も医師の指示が前提となるため、主治医との連携が不可欠です。

自己負担割合と実際の料金計算例

医療保険での訪問看護の自己負担割合は、年齢と所得によって1割から3割まで段階的に設定されています。実際の料金を理解することで、経済的な準備と計画的なサービス利用が可能になります。

年齢別の自己負担割合

  • 小学校就学前(6歳未満):2割
  • 小学校就学後~69歳:3割
  • 70~74歳:2割(現役並み所得者は3割)
  • 75歳以上:1割(一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割)

実際の料金計算例

<ケース1:75歳、週3回利用(1割負担)の場合>

  • 訪問看護基本療養費:5,550円×週3回×4週=66,600円
  • 訪問看護管理療養費:7,440円(初日)+3,000円×11回=40,440円
  • 月額合計:107,040円
  • 自己負担額:10,704円

<ケース2:50歳、別表7該当で週5回利用(3割負担)の場合>

  • 訪問看護基本療養費:
    • 週3回まで:5,550円×3回=16,650円
    • 週4回目以降:6,550円×2回=13,100円
    • 週あたり:29,750円×4週=119,000円
  • 訪問看護管理療養費:7,440円+3,000円×19回=64,440円
  • 24時間対応体制加算:6,400円
  • 月額合計:189,840円
  • 自己負担額:56,952円

これらの計算例からわかるように、利用頻度と自己負担割合により、月額負担は大きく変動します。ただし、高額療養費制度の適用により、所得に応じた上限額を超えた分は払い戻しを受けることができます。

公費負担医療制度との併用と高額療養費制度

医療保険での訪問看護利用時、経済的負担を軽減する制度として公費負担医療制度と高額療養費制度があります。これらを適切に活用することで、必要な医療を経済的理由で諦めることなく継続できます。

主な公費負担医療制度

  • 生活保護の医療扶助 – 自己負担なし
  • 指定難病医療費助成制度 – 月額上限2,500円~30,000円(所得により変動)
  • 自立支援医療(精神通院医療) – 原則1割負担、所得に応じた月額上限
  • 小児慢性特定疾病医療費助成 – 自己負担上限あり
  • 障害者医療費助成(重度心身障害者医療) – 自治体により異なる

これらの公費負担医療は医療保険に優先して適用され、訪問看護療養費も対象となります。ただし、制度により対象疾病や所得制限が異なるため、事前の確認が必要です。

高額療養費制度の活用: 医療費の自己負担額が月額上限を超えた場合、超過分が支給されます。

<70歳未満の月額上限額(目安)>

  • 年収約1,160万円以上:252,600円+(医療費-842,000円)×1%
  • 年収約770万~1,160万円:167,400円+(医療費-558,000円)×1%
  • 年収約370万~770万円:80,100円+(医療費-267,000円)×1%
  • 年収約370万円以下:57,600円
  • 住民税非課税世帯:35,400円

訪問看護を長期利用する場合は、限度額適用認定証の事前取得をお勧めします。これにより、窓口での支払いが最初から上限額までとなり、一時的な高額負担を避けることができます。また、同一世帯の医療費を合算できる場合もあるため、家族全体の医療費負担を考慮した活用が重要です。

まとめ

訪問看護で医療保険が適用される条件は、年齢、要介護認定の有無、疾病・状態によって決まります。40歳未満の方は全員医療保険対象となり、40歳以上では特定疾病への該当有無や要介護認定の状況により判断されます。特に重要なのは、厚生労働大臣が定める疾病(別表7)に該当する場合は、年齢や要介護認定に関わらず医療保険が優先されることです。

医療保険での訪問看護は週3回までが基本ですが、別表7・8該当者や特別訪問看護指示書が交付された場合は週4回以上の利用が可能です。自己負担割合は年齢により1~3割で、高額療養費制度や公費負担医療制度を活用することで経済的負担を軽減できます。

保険適用の判断に迷った場合は、本記事で紹介した5つのチェックポイントとフローチャートを活用してください。また、保険の切り替えが必要な場合は、サービスが途切れないよう事前に関係機関と調整することが大切です。

訪問看護の利用を検討されている方は、まず主治医に相談し、適切な保険適用のもとで必要なケアを受けられるよう準備を進めましょう。より詳しい費用シミュレーションや、介護保険との使い分けについては、お住まいの地域の訪問看護ステーションや市区町村の窓口にご相談ください。

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